生活の知恵
3.152019
料理の基本 だしの取り方 鰹節と昆布の出汁の取り方のコツについて

和食の基本「だし」
和食の味の決め手といえば、「だし」ですね。
だしは、簡単に粉末のだしで済ましたり、今ではだしパックという形で、絶妙なだしがとれるようにかつおぶしや昆布などを合わせてティーパックに入れている商品などもあります。
でもやはり料理の基本としてだしの取り方やコツは知っておきたいものです。
意外に家庭科の授業などでも教えてくれないので習ったことのない人もいるかもしれません。
だしの取り方やコツについてまとめてみました。
和食のだし素材の王道「鰹節」
和食のだし材料といえば、鰹節と昆布です。
他にも、椎茸、いりこなどもありますが、やはりこの二つが、出汁素材の代表ですね。
その旨味を出している成分はそれぞれ違います。
鰹節の旨味成分は「イノシン酸ヒスチジン塩」、昆布の旨味成分は「グルタミン酸ナトリウム」です。
この二つの成分は性質も全く違います。そのためそれぞれの扱い方も違ってきます。
【かつお節の出汁の取り方】
鰹節の旨味成分は熱湯に良く溶けるので、出汁を取る時には、沸騰した湯に削り節(削った鰹節)を入れてすぐに火をとめるか、沸騰する直前の湯に削り節を入れて煮立ったらすぐに取り出します。
こうすることで、旨味成分の大部分が湯に溶けだしていきます。
使う量は湯の量にたいして1%~4%くらいがよいです。
この時、あまり長時間加熱したり、また削り節を5%以上も入れたりすると、魚独特の生臭みを出すピぺリジンやトリメチルアミンなどが出汁に溶け出して味が落ちてしまいます。
出汁を濾すときに、塩をひとつまみ入れることで、出汁に溶け出した旨味成分が、削り節に戻ることを防ぐことが出来ます。
こうしてとった一番出汁は、お吸い物など香りが重視される使い道にむいています。
関西風味と言えば「昆布」
一方、薄口しょうゆで綺麗な色を好む関西では、昆布だしを良く使います。
【昆布の出汁の取り方】
昆布だしをとる時には、逆に沸騰させないようにするのがコツです。
そこが鰹節とは大きな違いです。
昆布の旨味成分は「グルタミン酸」と「マンニット」によるものです。
昆布を煮沸すると昆布の細胞や組織が柔らかく崩れてしまい、昆布に含まれる旨味成分以外の成分が汁に溶け出します。
例えば、昆布に含まれるアルギン酸はぬめりの原因になります。
また加熱することで昆布の色素が汁に溶け出して黄色みをおびてきてしまいます。
ですので、昆布で出汁を取る時には、水のままで取るか、加熱をしても沸騰の前の数分間にとどめるようにするのが大切です。
逆に、昆布本体を料理の素材として使うために水に浸す時には、つけ水に少量の酢を入れ、昆布の旨味が水に溶け出すのを防ぎます。
昆布の組織を作っているアルギン酸は酸を加えると膨潤して柔らかくなり、水を良く吸い込むからです。
鰹節と昆布を合わせて使う、味の相乗効果「合わせ出汁」
和食の王道出汁である「鰹出汁」と「昆布出汁」。
どちらもとても美味しいのですが、合わせて使うことでそれぞれ単体で使うよりも10倍も強く旨味を感じることは化学的にもわかっています。
鰹節の旨味成分であるイノシン酸と昆布の旨味成分であるグルタミン酸それぞれは単体で食べて味を感じるのはイノシン酸は0.05%ほどの濃度、グルタミン酸は0.03%ほどの濃度が必要なのです
しかし、この両者の味を混合すると、10倍に薄めても味を感じるのです。
これが、味の相乗効果なのですが、それを利用するために、古くから和食では昆布出汁と鰹出汁を合わせて使われ来た事がわかります。
それぞれの旨味を最大に生かした合わせ出汁を取るには、だしパックなどのように一緒になっている状態で同じように加熱するやり方は向いていません。
それぞれの旨さを最大に生かせる合わせ出汁の取り方を紹介します。
【合わせ出汁の取り方】
まず、昆布を水に3時間ほどつけておきそのまま湯を沸かします。
沸騰する直前に昆布を取り出し、弱火にしてアクをとります。
そのあと、再度火を強め沸騰する直前に削り節を入れて、煮立ったらすぐに削り節を取り出すか、濾しましょう。
こうしてとった合わせ出汁は、出汁そのものの味が引き立つ料理、風呂吹き大根やシンプルな出汁煮など、万能に使うことが出来ます。
だれでも手軽に簡単に使えるだしの素やだしパックも便利ですが、和食の原点ともいえるシンプルで深い合わせ出汁をぜひ作ってみて下さい。
合わせ出汁を使えばきっと、あなたの和食がワンランクアップすることでしょう。
