生活の知恵

料理の基本【さしすせそ】その理由

料理の基本さしすせそ、ご存知ですか。

よく、料理の基本として、調味料は「さしすせそ」の順に入れるといいます。
ですが、さしすせそ、それぞれがどの調味料を指すのかは、意外に知らない方が多いのではないでしょうか。

さ…砂糖
し…塩
す…酢
せ…醤油(醤油は昔「せいゆ=正油」と書いていた為)
そ…味噌

味付けの際には、この順に入れるのが良いのです。
その順番には化学的に理由があります。

初めに砂糖、そのあと塩なのはなぜか。

料理の基本さしすせそで行くと、一番初めに入れるべき調味料が砂糖です。
これはなぜかといいますと、砂糖の次に入れる塩は砂糖よりも分子量が小さいため、素材の中にしみこんでいくのが早いのです。
そのため、塩を先に入れてから砂糖を入れると砂糖がしみこんでいかないからです。
また、塩は一般に素材の水分を引き出し、細胞組織を引き締めて固くする性質があるので、塩味がしみこんだ後の食材は他の味をしみこみにくくなるのです。
そうならないために、分子量が多く、素材にしみこみにくい砂糖をしみこませてから、塩を入れて塩味を付けるのが効率が良いのです。

塩が素材に染み込むと素材の水分を外に出してしまうのは、浸透圧によるものです。
塩分濃度が高い煮汁に入れられた素材は、煮汁と同じ塩分濃度になろうと、水分を煮汁の中に出します。
同時に塩分が素材の中に入っていき、煮汁の塩味が素材に染み込むのです。

この性質を生かして、塩蔵数の子など保存のために大量の塩分を含む食品の塩抜きをするときには、真水に浸けるよりも薄い塩水につけた方が効率よく塩分が抜け、素材が水っぽくならずに済むのです。
塩水の塩分が塩漬け食材の中の塩分を呼ぶので「呼び塩」といいます。

す(酢)→せ(醤油)→そ(味噌)これはどんな理由があるのか。

酢、醤油、味噌これはすべて発酵調味料です。
発酵調味料は、加熱しすぎると香りが失われてしまいます。
そのため料理の最後に加えるのが良いとされています。

酢は、火にかけると酸味が飛んでまろやかになります。
ですので、この順になっていますが、酸味を生かした味付けにしたい場合は、二回に分けて入れるなどした方が出来上がりに程よい酸味が残る仕上がりになります。

醤油と味噌は、どちらも加熱によって香りが失われないようになるべく最後に入れるのが良いので、この順になっています。
醤油と味噌に関しては、最後に入れるということで、どちらが先でも構わない場合が多いです。

でも、魚や肉のもつ等の煮込みなどの場合には、味噌を旨味料として使う目的が強く、素材の臭みなどを吸着させるために入れる目的があります。
そういった場合には、合わせ調味料にして初めから入れてしっかりと素材に味噌の風味をしみこませます。

それ以外の調味料はどのタイミングで入れるのが良いか。

他に和食に使われる調味料と言えば、「酒」「みりん」があります。
酒は、一番最初に入れることで、素材の臭みを取ったり、味がしみ込みやすくなったりしますので、最初に入れるのが良いです。
さしすせその「さ」は、「砂糖」と「酒」と覚えると覚えやすいですね。

みりんも、「本みりん」の場合は、酒と同じ働きをする調味料ですので、酒と同じ扱いということで、最初に入れるのが良いです。
本みりんよりも安価に販売されている「みりん風調味料」の場合は、アルコール成分よりも糖分が多いため、扱い方が違います。
具体的には、最後に加えるのが良いですね。

この順で入れるのが望ましい料理とは

味付けの基本の「さしすせそ」は基本和食に良く用いられます。
これは、あくまでも素材の内部までしっかりと味をしみこませ、調味料の良さをなるべく損なわないための順序です。
ですので、たとえば煮魚のように素材の中心まで味をしみこませるよりも素材の表面に味を纏わせる方が美味しい料理であったり、酢の物などの和え物や照り焼きなどの焼き物の味付けには、合わせ調味料として、すべての調味料を混ぜ合わせた調味液を作って調理するやり方で構いません。
調味料の性質を生かして、効率よくお料理を完成させる、調味の「さしすせそ」。
ぜひ、料理の時に思い出してみて下さい。

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